マナりつ小説 雪の花(後編)

05 20, 2013 | Posted in その他二次創作 | Thema 小説・文学 » 二次創作

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 長らく間が開いてしまいました。マナりつ小説の後編となります。前編はこちらよりどうぞ。
 後編は、視点が変わりマナ視点のお話しとなります。
 また、当初はバッドエンドの予定だったのですが、あまりにも救いがないいうことで、ノベルゲーム風に3つの結末を、実験的に用意してみました。作中の選択肢から、お好きなものをお選びください。
 文量はそれぞれのエンドを分けますと、1万字程度の加筆となります。
 なお、pixivでも作品を投稿しており、そちらでどの結末が良かったか、アンケートを取っておりますので、もし全部お読みいただければ、投票してもらえると幸いです。(pixiv作品ページ

 ※結末の一つのエピローグにおける引用は、前編と同様、ジャネット・ウィンターソンの『灯台守の話』からとなります。

 では、よろしければ続きより、御覧ください。


   四・裂ける空

 どれだけの時間、そうしていたのだろう。トイレの個室へと逃げ込み、何も考えられないまま、座っていた。雨と風が、暴徒のように悲鳴を上げるのを聞いていた。時折弾ける雷光は、電気も付けない個室の中に、あたしのシルエットを映しだした。
 曇りガラスを開けると、金色の稲穂が空から何本も伸びるのが見えた。
 泣いている。逃げ場をなくした電子が救いを求めて暴れているのだ。空に幾つもの引っ掻き傷ができる。無数の裂け目はすぐに塞がれて、タールのような黒い雲に侵食される。
「六花は、ずっと泣いていたんだ……。そんなになるまで、苦しんでいた。それなのに、あたしは……気づけなかった……」
 唇に残った、甘い紅茶の残り香。六花に触れた確かな感触。
 人差し指で、そっと口元を触れる。
「キス……しちゃったんだ……」
 胸が苦しい。こんな騒音のオーストラの中でさえ、心臓の鼓動がはっきりと聞こえる。
 ファーストキスは最愛の人に。そんな憧れは、女の子だったら誰しも持ってる。そして、今一番好きな人を挙げるとしたら、それは六花だった。
 大好きな人とのキスを、あたしは拒んだ。服に手をかける彼女から逃げ出した。
 ――ねぇ、六花。あのあと、あなたは何をしようとしてたの? あたしは、どうすればよかったの……。
 この感情に名前をつけるとしたら……
「……ナ」
 そう、それは、もしかしたらあたしの名前なのかも。
「マナ!」
 と、ドアの向こうから響く大きな声に、意識を戻す。その声の主に思い至り、慌ててあたしはノブに手をかける。
 すると、廊下には酔いつぶれたように低空飛行するカバンがあった。
「シャルル?」
 間抜けな声で呼ぶと、頷くように、カバンが上下する。すぐにチャックを開いてやると、
「ぷはー。苦しかったシャル」
 妖精のシャルルがヒョコリと顔を出した。
 大事な話だからと、鞄の中に待機してもらっていたことを、すっかり忘れていたのだ。
「ごめんごめん。どうしたの? そんなに慌てて」
 訊くとシャルルは、うさぎのような耳をしゅんとしならせる。
「それが、さっきからラケルと連絡がつかないシャル」
 鈍い胸騒ぎがする。弾けるように、あたしの部屋へと走る。
 案の定、そこには空っぽの部屋があった。
「六花……」
「六花が来ていたシャル?」
「うん……」
「何かあったシャル?」
「なんでもないよ。きっと眠くなって、もう帰ったのかもしれない」
 シャルルは首をかしげながらも、それ以上は問わなかった。
 事の顛末を話すわけにはいかない。
 これは、あたしと六花の問題。彼女と話して解決しなくてはならないもの。喧嘩したときも、親に叱られた泣いたときも、仲直りして、なぐさめ合って、そうやって切り抜けてきた。だから、今回もきっとうまくいく。沈み込むなんて、あたしらしくない。
 だけど、この胸騒ぎはなんだろう。単なる心配からくるものではなさそうだった。胸の奥底がぎゅっと摘まれるような痛み。
 ねえ、六花。あなたは、この気持ちの名前を知っているの?


   五・雪の花

 ――六花はどうして、六花っていうの?
 幼い頃に尋ねたことがあった。六花は少し不満そうな顔を浮かべ、
 ――六花って、雪のことなんだって。
と答えた。
 ――どうして、雪なのに、花なの?
 ――ほら、雪の結晶って、六角形でしょう、それぞれの角が花のようになってるの。だから六花。
 ――へぇ、すてきな名前だね。
 ――そうかなぁ。でも、雪ってすぐに溶けちゃうでしょう。いくらきれいでも、すぐになくなっちゃったら意味ないよ。
 あたしたちの住む地域では、まとまった雪が降ることは珍しい。だから、雪はたった数日で溶けてしまう存在だった。
 ――でも、それをいったら、桜だって同じじゃない。
 ――ただ、きれいなだけで名前をつけるなんてナンセンスよ。
 そのころは、人の命がかくも儚いことなど意識していなかった。だから、その名前が、短い一生を、せめて輝かしく生きろという意であることは知らなかった。
 その意味を知った今でも、彼女の言葉は記憶の一片として鮮明に残っている。
 ――それに。
 ――それに……?
 やまびこのように訊くと、彼女は少しだけ悲しげな顔をした。
 ――桜は一度散っても、また同じ木から咲くことができるわ。
 ――雪も、次の年になれば、また降るよ。
 ――でも、一度咲いた雪の花は、もう二度と同じ花を咲かせることはないのよ……。

 名は体を表すという。あたしは、六花にダイヤの名がふさわしいといった。頭脳明晰、どんな仕事もそつなくこなし、あたしが押し付けちゃった仕事だって、苦に思わず済ませてしまう。
 そんな六花は、あたしから見れば、ダイヤのように輝いて見えた。最も固い宝石のように強いのだと、思ってしまったのだ。
 だけど、本当は、とてももろくて、すぐに溶けてしまう雪の花……。
 あたしは六花に甘えていたのかもしれない。何をしても許してくれる。支えてくれる。その裏で苦しんでいる姿を、想像できなかったのだ。

 初めてのキスをした次の日。空は相変わらず暗く、ゴロゴロと唸る様子は、今にも泣き出そうとする、ぐずりはじめの赤ちゃんを連想させた。湿気を含んだ風は、鼻孔に不快な空気を送り込む。
 六花の家のチャイムを押しても、返事はなかった。あんなことがあった手前、彼女と合わなくて済んだことに、少しだけほっとしていた。そんな自分が情けなかった。
「ラケルとは、まだ連絡つかないの?」
「それが、何度呼びかけても、まったく反応しないシャル」
 こんなことは初めてだと、カバンの中から顔をのぞかせたシャルルがため息をつく。鬱屈とした表情で、いつもの元気な様子はすっかり影をひそめていた。
 六花のいない通学路は、どこか色あせた風景に思えた。
 真琴と合流しても、胸の奥に巣食う暗雲は、晴れてはくれなかった。
 こんな感覚は始めてだった。理由は明白だった。一番大切な人が誰か気づいたから。大切な人がいない風景は、パズルのピースが欠けた不完全な絵のように見えた。

 学校に言っても、六花の姿はなかった。これまでの学校生活において、初めての自体に、クラスの皆があたしに視線向ける。皆、あたしなら何か知っているかと期待しているのだろう。先生も、
「菱川が休んだ理由、何か聞いてないか」
と、当然のように尋ねた。
 どうしてあたしなんかに訊くのだろう。六花を拒んだあたしに。
「わかりません。でも、六花は無理しちゃうところがあるから、過労だったのかも。だから、今日は有給休暇ってことで許してあげてくれませんか? あとで、こってりと怒られてきます」
「はは、そうか。じゃあ、あいつのことは、任せちゃっていいな」
「はい、任されました」
 菱川がいなくて、生徒会は大丈夫なのか、とそこここでヒソヒソ声が聞こえる。あたしは、顔だけで笑ってみせた。
 ここで彼らに本当のことを言ったらどうなるのだろうか。六花から、告白されたこと、キスされたこと。自分たちが当たり前だと思っていた常識を、砕いてやったら……。あたしと六花は、異端児扱いされるかもしれない。果ては、学校にいられなくなるかもしれない。
 彼らにとっての一番の天敵は、彼らにとって普通ではないものだから……。
 あたしも、彼らと同じだ。六花にキスされたとき、怖いと思った。それは多分、無知からくる恐れ。今まで築き上げてきた日常が終わることへの恐怖。それは、最も簡単な感情の逃げ道なのかもしれない。

「おつかれ、マナ」
 放課後、会議が終わり、人の居なくなった生徒会室に真琴が訪れた。あたしは、六花のいない分、たまった書類を片付けている途中だった。摩天楼のような書類の山に、扉を締める手が止まる。
「その書類どうしたの」
「あはは……。あたしがいつも六花に押し付けちゃってる仕事」
 他の生徒会の人には、すぐに終わる仕事だと言って返ってもらった。いつも、六花が手際よく作業を終わらせているのを見ているから、すぐに皆、頷いた。だけど、始めて見たらとんでもない。彼女でなければ、何時間もかかる仕事だった。
「手伝おうか?」
「いいよ。もう終わるから」
 それに、真琴に手伝ってもらったら、仕事が増えかねない……とはさすがに言えなかった。
「マナは六花が休んだ理由、知ってるの?」
 仕事が片付いて、開口一番がそれなものだから、ため息を漏らしそうになる。
「うん……。知ってるよ。だけど、ごめん。今は言えないの」
「謝らなくていいわ。あたしこそ、ごめん。無理に聞き出そうってわけじゃないの。マナに元気出して欲しくて」
「そう? そんなに元気ないように見えた?」
「ええ……。いつものマナじゃないみたい」
 まるで、昨日のあたしと六花だな、と思って少しだけおかしくなる。
「はは、そうかもね。ありがとう、心配してくれて」
 たしかに、いつものあたしではないかも。かといって、普段のあたしだったら、どうしていたか、考えても答えは出てこない。どんなに悩んでも、無限に続く回廊を歩くように、出口はないように思える。
否、違う!
どうしていたか、どうするべきか、じゃない。
 あたしが、どうしたいか。それを考えるんだ!
「あたし、六花に甘えていたのかも」
 重い書類の束で、トントンと机を叩いてそろえ、既に片のついた書類の塔を増築する。
「完全無欠で、どんな困難な仕事を頼んでも、苦に思わないでやってくれる。だから、あたしがどんなわがまま言っても、危ないことしても、許してくれる。そう信じてた」
「それがパートナーなんじゃないの」
 真琴の言葉に、自然な笑みが戻ってくる。
「そうかもね。でも、あたしの場合は、ちょっと異常かも。あたし、六花がいないとだめなんだ。六花依存症なの……」
 真琴は、真剣な眼差しで、あたしの話を聞いてくれた。聞いてくれる人がいる。今はそれだけでも、心の錨が降りる思いだった。
「六花はさ、人見知りなんだ。そうは見えないかもしれないけど、あたしとありす以外の友達といるの、ほとんど見たことないの。いつも成績が学年一位なのを、恨む声もたまに聞いた。目の上のたんこぶだってね」
 その度に、何を話したのかを間近で尋ねて黙らせた。少しずつ、火の粉を払ってきた。それでも、六花はあたしといないときは、孤高を貫いた。
 だから今、浮かべている表情を考えると、胸の底がぎゅっと摘まれたように痛む。泣き、沈む彼女の姿しか思い浮かばなかったのだ。
「マナは、六花のことが好きなのね」
「うん、好きだよ」
 答えは、自然と口をついて出た。
 それは、一足す一は二であることくらい、簡単な答え。だけど、何よりも難しい言葉。偽りではないのだけど、想いを表すには、あまりにも心細い……。
「そう……」
 真琴の目に、一瞬光るものが見えた気がした。それは、幻かと疑うほど僅かの間のことだった。
すべてを見透かすような、珠のような瞳が、あたしを見つめていた。
「じゃあ、マナはどうするの?」
 迷いは、不思議と立ち消えていた。
「六花と話しに行く。そこから先は、どうすればいいかわからないけど」
 どれだけ考えを巡らせても、答えは霧の中。ならば、とにかく前に進んでみる。いつもあたしがしてきたことだ。
「いつものマナに戻ったわね」
 そう言うと、溜息を付くように息を吐く。うっすらとした笑みを浮かべ、真琴は空の向こうへと目を向けた。
 黒い絵の具を塗りたくったような暗雲が、苦しそうに空を埋めていた。
 窓には、一つ二つと、銀の糸が尾を引く。
 一体この空の下で、何人が涙を隠しているのだろう。ふと、そんなことを思った。

 そしてその声は、雲の底から遠雷が根を張るのと、時を同じくして現れた。ポルターガイストのように窓を叩く音とともに、
「ジコチューが現れたケル!!」
 窓の向こう轟く声に、カバンの中から二匹の妖精が顔を出す。
『ラケル!?』
 窓を小さな手で叩いているのは、いつもは六花の傍にいるはずのラケル、その姿だった。
 真琴が、慌てて窓を開いてやる。身体を押し付けていたものだから、勢いづいて室内を二三回転してから、ラケルは声を張り上げた。
「今すぐ向かうケル。ロゼッタとダイヤモンドはもう向かったケル」
 彼が示した場所は、クローバータワーだった。あたしが始めたプリキュアになった場所。もし、あのとき、あの場所にいなければ、こんなことにならなかったのかも。そんなことを考えると、少しだけ足がすくむ。
 一足先に部屋を飛び出した真琴が、回れ右して戻ってくる。あたしの手を引いて、「さっさと行くわよ! 六花と会うのでしょう!」
 彼女の手は力強く、「痛いよ」と思わず悲鳴をあげるほどだった。
 かけつけてくれたセバスチャンの運転する車で、目的地まで向かう。
 夜の底が空を侵食していく。まだ、夕飯の香りが漂うのには早い時間だった。
 猛烈に降りだした雨に、忙しなく動くワイパーの音が、やけにうるさかった。
 クローバータワーまでの道のりは、永遠のように思えた。心だけが、急いていた。脈拍を測ったら、とんでもない数値になるのではないだろうか。
「ジコチューはどこにいるの?」
 重い空気に耐えられなかったのか、真琴が口を開く。
「それが、クローバータワー全体から、ジコチューの波動を感じるビィ」
 ダビィが、困惑した表情で言った。
「ラケルは何か知らないシャル?」
「ごめんケル。すぐに連絡しようと慌てていて……」
 道中は、なぜか一回も赤信号に当たらなかった。前を走るのろのろ運転の車も一切無く、百キロ近くで公道を走っているのにも関わらず、追跡するパトカーの姿もなかった。
「さすが、四葉財閥……」
「なにか言いましたかな、相田様」
「い……いえ。なんでもありません!」
 そうこう言う間に、車はクローバータワーの前に到着した。天を突き刺すような塔のたもとには、ありすの姿しかなかった。
「六花はどうしたの?」
「それが……、もう中に入ってしまったようで」
「どこにいるか、検討もつかず、こうして待っていたでランス」
「避難は既に完了しましたわ。さあ、まいりましょう」

 L・O・V・Eとラブリーコミューンに文字を描く。こんなに重くて、ややこしくて、それでいて愛おしい言葉などないのだろうと思いながら。
「とにかくまずは手分けして、ジコチューを探すよ。その途中でダイヤモンドを見つけたら、すぐに連絡すること」
 先陣を切って、避難のために開いたままの自動扉を駆け抜ける。
 そのとき、背後で鳴るはずのない機械音が聞こえた。と思うと、ドシンと、巨人が大地を踏みしめるような音が轟く。
 振り返ると、透明な扉の向こうに、侵入を阻まれたソードとロゼッタ。
 閉まりきったドアに、すべてをあざ笑うかのような顔が浮かぶ。
「罠……だったんだ」
 敵の顎門(あぎと)に捕らえられてから気づくなんて。頭の回らないあたしが嫌になる。
 もしも、ここに六花がいたら、忠告してくれただろうか。そんなことを思いながら、あたしはラケルを見やる。
「どうしたケル? 早くダイヤモンドのもとへ行くケル。ここはロゼッタとソードに任せて――二人を信じるケル」
「ねえ、ラケル……」
「何ケル?」
「どうして、あなたはここにいるの?」
 腰に付けた、ラブリーコミューンを突きつける。
「六花が変身したのなら、あなたはラブリーコミューンとなって、ここにはいないはずよ」
 先導したラケルが、屋上へとつながるエレベーターの開閉扉の前で静止する。
「何を言ってるケル?」
 前を向いているため、表情は見えなかった。
「あなたは誰」
 すると、ラケルは糸が切れたように、地面に落ちていく。慌てて、両手で受け止める。手の中から、すやすやと心地よさそうな寝息が漏れた。
「マナ……。ここにいるのは、間違いなくラケルシャル」
「じゃあ、操られていたってこと?」
 ――その通りよ。
 何もない空間に、突如女の声が響いた。こだまのように反響する声は、不協和音を奏でるように不気味に感じられた。気温が一、二度下がったような悪寒を覚える。
 あざけるような、あるいは戯れに興ずる笑みを交えながら女……、マーモの声は続ける。
 ――随分と遅かったのね。あなたたち、馬鹿正直だから、騙すのも簡単だったわ。参謀役がいないと、こうも楽だなんて。あの子を狙って正解だったわ。
 不快な声色は、耳の奥へとなおも流れ込む。
「六花はどこ……」
 あたしの顔は、怒気に歪んでいたことだろう。
 ――あら、そんな怖い顔をして。よっぽど彼女のことが好きなのね。それとも、ただ単に、彼女を便利な道具として利用したいだけ? そうよね、彼女は――
「六花はどこ!!」
 つまらなそうなため息が聞こえた。
 ――ここで、あなたをずっとからかっていても良いのだけど……。邪魔が入ったら興醒めね。
 背後からは、ソードとロゼッタが、ジコチューと戦闘する音が、微かに漏れ聞こえた。
 ――さあ、おいでなさいな。
 彼女の合図とともに、エレベーターの扉が、獲物を前に口を開くように動く。その中に飛び込むと、静かにドアは閉まり、上昇を始めた。
 ――あなたのせいで、彼女の心は黒く染まってしまったのよ。
 下卑た笑い声を上げ、マーモは囁く。
 ――果たして、そんなあなたの声に、あの子は耳を開くのかしら。さあ、早く聞かせてちょうだいな。あなたたちの、美しくて、悲しい旋律を。


   六・溶けない氷

 鉄の箱が、死刑台に昇る囚人のように、静かに空へと上昇していく。
 街が小さくなる。暗雲の底に飲まれていき、やがて世界は暗い灰色に支配される。
 展望台へと降りるも、そこはもぬけの殻だった。
屋上へとつながる階段を駆け上がる。
 それは淡い期待かもしれない。六花は、いつもの笑顔であたしを迎え入れてくれる。あの出来事は、すべて夢で、変わらない日常が待っている。そうしたら、どんなに幸せなことだろう。幸せとは、どうしてこうも手の届かないところへと、逃げてしまうものなのだろう。
 最後の扉の前で逡巡する。頬を強く叩き、天国か、あるいは地獄への扉を、あたしは開く。
 唖然としていた。
 いつの間に雲の底を抜けたのだろう。そこは、国が変わったかと錯覚するほどに、光が満ちていた。白い光子の群れに、あたしは目を細める。
 その眩しさの中で、頬に触れる冷たい感触。
 目が次第に慣れてくる。光の正体は、空から降りる雪の片であった。
 雲は、雷に引きちぎられたのか、いくつもの切れ目が走っている。その隙間から差し込む西日に反射し、雪の一粒一粒が、光の粉のように輝いて見えていたのだ。
 白い雪の花。
 歌うように、踊るように、風と戯れていた。
 どんな宝石よりも眩しくきらめく、六つの白い花弁は、地面へと吸い込まれ、その儚い命を散らしていく。
 その光の群れの中で、
 まるで舞台照明の中に立つヒロインのように、
 彼女、菱川六花は佇んでいた。
 見慣れた私服姿。いつもの彼女の姿に、少しだけ胸の動悸が治まる。
「六花……」
 なんと声をかければよいかわからなかった。だから、囁くように、名前を読んだ。すると、彼女も、
「マナ……」
 と、どこか儚げな顔を浮かべて、呼んだ。
 白の世界は、あたしたちの声を除くすべての雑音を吸い取ってしまう。ひたすらの無音。無色。澄み切った世界に、心までも澄み渡るように思えた。
 まるで世界の中に二人だけ。そんな錯覚ゆえに、手元にあった軽い感触が失われたことに、気づくことができなかった。
 六花が指揮者のように手を上げたかと思うと、声を出す間もなく、ラケルが彼女のもとへと引かれていく。
「愛しているわ、マナ」
 悲しい笑みとともに、彼女は告げた。

 まばゆい光が、視界を奪う。
 モンシロチョウが一斉に羽化したかのような、白い帳。
その幕が開く。
 そこには、威風堂々と立つキュアダイアモンドの姿。
 たなびく髪はコバルトのような青の煌めきを放っていた。
 しかし、その胸にあるはずの青いハートは、漆黒に染められていた。
 まるで、ジコチューになる前のプシュケーのように。
 怪しく光る黒は、ブラックダイヤモンドを思わせた。
「どう、綺麗でしょう?」
 六花は、自分の胸に手を当て、恍惚の笑みを浮かべた。
「もしかして、ジコチュー……なの?」
「違うわ、マナ。私は私。あなたは勘違いをしているのよ。本当の気持を、どうしてやましいものと思うの?」
 六花の言葉に、あたしはシェイクスピアの、『マクベス』の一節を思い出す。
 ――きれいは穢(きたな)い。穢いはきれい。
「ねえ、どうして想いを隠さなくてはならないの? そんな煩わしい考え、捨ててしまえばよかったの。こんなに楽になれるんだもの」
 虚空に伸ばされた手に、光の粒子が集う。そのひとつひとつの結晶が固く結びつき、両刃の氷剣を作り上げていく。
「ここには私だけ。邪魔をするやつは誰もいないわ。さあ、思う存分遊びましょう」
 踏みしめた足もとは、巨大なハンマーで打ち付けられたように沈む。構えられた剣は、あたしの心臓を冷たく睨んでいた。
 コンクリートが破壊される音とともに、六花の姿が迫る。
 死へと誘う刃先が、避ける間もないほどの速度で突き出される。
 とっさにあたしは両手を前に構えた。
 そこには、盾代わりのラブハートアロー。吸い込まれるようにしてぶつかる氷の刃の一部が弾け、甲高い金属音とともに、光の破片を散らした。
 所詮はその場しのぎ。執拗に繰り返される斬撃の度に、打ち鳴らされる不気味な悲鳴。いつまで耐えてくれるかは疑問だった。
「そんな邪推なおもちゃなんか捨てて、さっさと諦めなさい。そうすれば、あなたも楽にしてあげられる。その両手両足を切り取ってあげるわ。永遠に私のものにしてあげる」
「……どうして……」
 振り下ろされる剣を、横転しながら避ける。
 地面にあたり砕けた刃は、しかし次の瞬間には、降りしきる雪粒を集め、再びその輝きを取り戻していた。
「一緒に戦うって決めたのに。プリキュアになって、一緒にジコチューを助けて、トランプ王国を救うんじゃなかったの」
「そうね。でも、その時は私とあなた、二人だけだった。私だけがあなたを守ることができる。そう信じていた。なのに……」
 迫り来る切っ先。
 再び、一方的な剣舞踏会が始まる。
 その一撃一撃が、六花の感じていた苦しみなのだろう。
 気がつくと、砕ける氷の粒に混じり、光るものがあった。
 それは、六花のまぶたから生じる煌めき……。
「ねえ、マナ……。私だけを見て。その笑顔も、優しさも、私だけに振りまいてよ」
 まるで、子どもがおもちゃを振り回すように、彼女は剣を振るう。
「あなたのすべてが好きなの」
 反撃する間もなく、
「その、たくましくて、まっすぐな瞳も」
 ただ、受け止め、次第に後ろ後ろへと、
「その可愛くはねた髪も」
 奈落の端へと追い込まれていく。
「その、柔らかい唇も……。すべてが好き」
 ラブハートアローが嫌な音をたてる。見ると短いヒビが入っていた。
「それが、六花の……、本当の想いなの?」
 一瞬、彼女の手が止まる。
「ねえ、もうやめよう。こんなの間違ってるよ。あたし……、六花と戦いたくない」
 あたしの目から、いつの間にかこみ上げるものがあった。
 鏡に映すように、目の前にも、涙をたたえる少女がいた。
「もう……、遅いの」
 高々とあげられる剣。
 その刃先は、あらゆる光を反射し、ダイヤのように輝いていた。
 とても綺麗だと、こんなときなのに思った。
「すべてが偽りだった。まやかしだった。永遠なんて、ありえないのね……」
 呟く彼女を見て思う。どれだけの苦しみを、彼女は背負っていたのだろうか、と。心が、黒く染まるほどの痛みとは、一体どれほどのものなのだろう。
 無慈悲な刃が、突き出される。
 あたしは、どうしたいの……

――六花を傷つけたあたしなんて、いなくなってしまえばいい。
――まだ、六花に自分の想いを伝えていない。
――あれは、ジコチューで、六花なんかじゃない。










七・一

 六花を傷つけたのはあたしだ。その傷は、深くて塞ぐことなど到底できないもの。
 こぼれた刃は、彼女の嘆き。
 突き出される氷剣は、すぐそこにあった。
 あたしは、避けることも、受け止めることもなく、
 ただ、その刃が、心臓の少し上にあるハートを砕き、
 変身が解けたあたしの中に沈んでいくのを眺めていた。
 シャルルの叫ぶ声が、幻のように聞こえる。
 六花の顔に、赤い血しぶきが飛ぶ。
 噴水のように溢れ出る血液は、足元に真紅の溜まりを作っていく。
「六花……。そこにいるんだよね」
 かすれゆく視界は、求める像をうまく結んでくれない。
 だから、その姿がよく見えるように、あたしは、さらに身体を前に進ませる。
「う……あぁぁ」
 冷たい感触が、この世のものとは思えぬ痛みを伴い、あたしの身体を侵食する。
 死へと向かうのにも構わず、前へ前へと進む。
 目の前の表情が、悲痛に変わっていく。
 六花がすぐ傍にいる。大好きな顔が、すぐそこにある。
 あたしは、彼女を傷つけてしまった。もし、六花が元に戻っても、きっとあたしは彼女を傷つけるだろう。儚い雪の花を、何度も散らしてしまうのだろう。
 あたしという存在が、彼女を歪めてしまうのならば、この命が潰えてもいい。
 だから、これは最後のわがまま。
 あたしは、彼女を見据えて、
「愛してる……」
 と、囁いた。
 もしかしたら、声はかすれていたかもしれない。
 六花の目からこぼれるものがあった。
「ねえ、どうして泣いているの? あたしは、ここにいるよ。あなたの近くに。だから……」
 震える手で、彼女を抱く。
 最後の力で、あたしは六花の唇に触れた。
 ずっとそうしていたかった。
 柔らかくて優しい、六花の温度を感じていたかった。
 けれど、氷の剣は抜かれ、支えを失った身体は、地面へと落ちていく。
 意識もまた、闇の底へと沈みつつあった。
 最後の慈悲か、あたしの瞳は、六花の姿を鮮明に映し出していた。
 ダイヤモンドよりも綺麗な雪の花が、風に揺れる花吹雪のように儚げに踊っていた。
 その中で、六花は妖精のように美しく見えた。
 胸の黒い輝きは消え、今はコバルトブルーの輝きをたたえていた。
 彼女の目から、ひときわ大きな水滴がこぼれ落ちる。
 冷たい雫が頬を叩く。
 ねえ、六花。笑って。あなたを傷つける人は、もういないから。だから、最後にあなたの、太陽のような笑顔を……。それだけでいいから……。
 想いは声にはならず、ただ、口元がかすかに動くだけ。
 暗い闇に飲まれる前に、最後に見たのは、氷の剣を自らの喉元へ突きつける六花の姿だった。
 世界が紅に染まる。
 そして、二度と開くことのない、まぶたの裏の幕が、静かに降ろされる……。

     ――赤い澱









     七・二

 彼女を傷つけたのはあたし。だけど、六花は、そんなあたしをまだ好きと言ってくれる。
 その言葉は、どれほどに重いものなのだろう。
 あたしは、まだ、そこの言葉をしっかりと受け止めていない……。
 死を宣告する刃が迫り来る。その光景は、コマ送りの映像のように見えた。
 そのとき、脳裏に浮かんだ映像は、六花との記憶だった。
 はじめて、近くに越してきた六花が、あたしに見せた、どこか怯えた顔。そのときに、彼女と友達になりたいと思ったのだ。よろしくね、と言ったときの輝いた目は、とても綺麗だった。あのときから、あたしは彼女に惹かれていたのだ。
 生徒会長に立候補するときも、彼女と一緒に何かができる。今までよりも、近くにいることができる。そのことがとても愛おしく思えたから、彼女を書記に誘ったのだ。
 ――私はあなたのツバメにはなれない?
 そう彼女が言ったとき、あたしには六花が必要なのだと、確信した。
 その唯一無二のパートナーが今、あたしに刃を向けている。
 あたしは彼女の一番で、彼女はあたしの一番で……、そんな確信に似た甘えが、六花をあんな姿にしてしまった。
「ごめんね、六花……」
 とっさに構えたラブハートアローに、振り下ろされる剣。一瞬、目を焼くような閃光が弾け、ひときわ大きなヒビを作って止まった。
 ヒビに捕らえられ、剣を抜くことをはばかれたできた隙に、あたしは六花を抱き寄せる。
 手を回し、二度と離さないように、強く彼女を抱いた。
 そして、そっとその唇に、あたしの唇を触れる。
 それは、魔法を解くためのおまじない。否、もっと強い魔法をかけるためのキス。
「あたし、馬鹿だ……。自分の気持にずっと嘘をついていたの。考えるのが怖くて、六花から逃げていた……」
 彼女の身体が、少しだけ震えていた。
 思えば、ここは随分と寒い。
 雪の花は絶え間なく降り、足元にはいつの間にか白く染まっていた。
 吐息すらも白く染まる。
 だから、彼女から伝わってくる温度は、とても暖かく感じられた。
 いつまでもそうしていたいと、願った。
「あたし……六花のこと好き。六花の言った好きと、同じ気持ちだよ」
 光を反射する、氷の粒のようなそれは、まぶたから頬を伝う。
「嘘……よ」
くしゃくしゃに顔を歪めて、彼女は言った。
「こんな醜い私を……、あなたを自分だけのものにしようとして、そのためにあなたを傷つけようとした私なんて……」
「違うよ」
 抱きしめる手を強め、あたしは言った。
「あたしは、六花のそういうところも含めて好きなの。そういう、弱いところも含めて……ね」
 彼女の手は力をなくして垂れる。握っていた氷剣は、地に吸い込まれるように落ち、音を立てて割れた。
「きっとあたしは、六花がいないと生きていけないの。そのせいでいろいろと迷惑をかけてきた。それでも、そんなあたしを好きになってくれたことが、嬉しくてたまらないの。
あの時は、言えなかった。それで、六花を傷つけた。許してもらえないかもしれない。もしも許してもらえないのなら……、いいよ。あたしを好きなようにして」
「そんなこと……、できるわけ、ないわ……」
 ゆっくりと落ちる流れ星のように、光の粒が幾滴も落ち、雪の絨毯を少しだけ溶かす。
「きっと、これからも迷惑をかけるよ。もしかしたら、また傷つけちゃうかもしれない」
「そんなの、今更でしょう。あたしはそんなマナを好きになったのだから……」
 六花の胸のハートは、いつしか元の青の輝きを取り戻していた。
「その翼で、あたしをどこまでも連れて行って……」
「ええ……」
 二人は手を結ぶ。二度と離さないように、力強く。
 クローバータワーの上空は、晴れ渡っていた。そこだけ雪が溶けたように、雲が避け、そこにはあたしたちを祝福するようかのように、一番星が力強く輝いていた。

     ――祝福の星



   些細なエピローグ

 あら、これでこの物語はおしまいとでも思った? 確かに、一応の区切りはついたわね。でも、これは本当にハッピーエンドなのかしら。たしかに、彼女の物語の中から、この話だけを抽出すれば、もしかしたらそれはハッピーエンドといえるのかもしれないわね。
 だけど、もしもこのお話しに続きがあるとしたら?
 たとえば、そうね。クローバーとスペードには黒が似合うと思わない?
 ふふふ。今日はお話する気分ではないわ。その代わりに、有る物語の一節をプレゼントしましょうか。

 ――

 お話して、ピュー。

 どんな話だね?
 ハッピー・エンドの話がいいな。
 そんなものは、この世のどこにもありはせん。
 ハッピー・エンドが?
 おしまい(エンド)がさ。

 ――








     七・三

 人の思いを踏みにじるのを許せないと言い、プリキュアとなったあなたが、こんな姿になるなんて。あたしにはどうしても信じられなかった。
 こんなのは六花じゃない。六花は、いつでも優しくて、自分のことを犠牲にしてまであたしを助けてくれた。
 あれは、ジコチューだ。決して六花などではない。
「目を覚ましてよ、六花!!」
 叫び、一瞬彼女がひるむ。迫る刃を脇に避け、その柄をつかむと、彼女ごと一本背負いで投げつける。
 ラブハートアローを構える。
 そのとき、シャルルが何かを叫んでいたが、聞いている余裕などなかった。
 いつもやってきたこと。あれが、ジコチューで、黒のハートがプシュケーなのだとしたら――
「プリキュア・ハートシュート!!」
 光の矢が、六花に降り注ぐ。
 胸の黒いダイヤが、元の青い輝きを取り戻していく。
「これで、終わったんだよね……」
 あたしは、変身を解いて、その場にへたり込む。
 六花も、元の姿に戻り、眠るように横たわっていた。
 白い帳にヒビが入る。雪の花は幻のように掻き消えてしまった。
 空は、暗い闇に覆われたままだった。
 時折落ちる稲妻が、世界を白に染める。直後轟く雷鳴は、空が怒り猛っているようだった。
 疲れきった身体を無理やり動かし、六花の元に、這うように近寄る。
 服は雨の雫に濡れていた。
「早くしないと、風邪ひいちゃう」
 彼女を運ぼうと、手をのばしたとき、二つのまぶたが開いて、あたしを見つめた。
 キョトンとした表情を浮かべ、雨が眼球に当たるのも構わず、瞬きもせずにじっと見据えていた。
「あ、起きたんだ。良かった。ほら、早く帰ろう」
 ソードとロゼッタは、ジコチューを倒すことができただろうか。帰ったら、六花ともう一度よく話しあおう。答えを出すのは、今でなくてもいいはずだ。
 それに、あのときから、既に彼女は、プシュケーを濁らせていたのかもしれない。だとしたら、またいつもの日常に戻れるかもしれない。そんな、淡い期待を抱きながら、手を差し出す。
 しかし、彼女はしばらくたっても、その手を取ろうとしなかった。
「……れ?」
「なあに、六花?」
 それから彼女が呟いた言葉は、そんなあたしの考えを打ち砕くには十分なものだった。
 おびえるような表情で、六花は訊いた。
「あなたは……誰?」と。

     *

 病室は、雪原の中のように白い壁に覆われていた。
 個室のベッドに横たわり、六花は何かを憂うような目を窓の外に向けていた。
 彼女は記憶を失っていた。
 シャルルが言うには、本来ジコチューに対して耐性を持つはずのプリキュアがジコチューになるには、その理から外れるほどに異常なことだという。それを直接浄化したせいで、六花自信にまで影響が及んだのだ。普通のジコチューであれば、本体とプシュケーは別のところにあるから、と。
 百の理論を並べても、彼女はあたしのことを思い出してはくれないだろう。
「あたし……、とんでもない間違いをしていたんだね」
 あたしを、まっすぐ見つめてくれる瞳は、そこにはない。
 すべてを失ったような、うつろな目をした六花を、あたしは抱きしめる。
 隣の部屋に漏れ聞こえるのも気にせず、声を出して泣いた。
「全部、六花の本当の想いだったんだね。それを、あたしは否定したんだ。あたし……、自分に嘘をついていたの。本当の気持ちに気づくのが怖くて……、また六花を傷つけちゃったの」
 大好きな笑顔は、もうそこにはない。二度と戻らないのかもしれない。
「ごめん……。ごめんね……」
「どうして……、泣いているの?」
 あたしは、彼女に精一杯の笑顔を見せて言った。
「六花が、好きだからだよ」
「だけど、私はあなたを知らない……」
「今はいいの。今は、それで……」
 いつか、六花が思い出すその時まで、彼女に尽くそう。あたしはそう決めた。
 たとえ永遠に、二人で過ごした記憶が戻らなくとも、あたしは彼女を守りつづける。
 声に出さず、あたしは誓う。
 幸せを振りまき、残った鉛の心臓をあなたに捧げ続けよう。
 死が二人を分かつまで……


     ――ツバメを亡くした王子



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樹

似非店員:樹
百合と眼鏡が好きな人です。
日本語、和風なものも大好物。
掲載しているものは、主に百合もの、ファンタジー小説となっております。
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